To-Collaboプログラム シンポジウム「地域連携活動による人材育成」を開催しました

2015年10月24日(土) 13:00~16:00 東海大学高輪校舎 2B101 大講義室にて


2015年度 東海大学To-Collaboプログラム シンポジウム
「地域連携活動による人材育成」

を開催しました。

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 本シンポジウムは、地域連携活動による人材育成について皆さまとともに考え、知見の交換を図ることを目的として高輪校舎にて開催しました。当日は、本学教職員・学生、学外教員、地域住民ら75名が参加しました。
 冒頭、山田清志学長が挨拶を行い、会場に集まった学内外の来場者に向け、COC事業に採択されている大学ばかりでなく、日本の大学教育にとって有意義な意見を交わすことができればありがたいと述べました。続いて、池村明生To-Collabo推進室次長が、シンポジウムに先立ち、本学To-Collaboプログラムの事業進捗報告を行いました。

第1部 基調講演「つくば市をキャンパスとした学びから~社会力豊かな人間の育成を目指して~」

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 第1部では、筑波学院大学が実践している「オフ・キャンパス・プログラム~つくば市をキャンパスに~」において、学生が社会参加活動を通して社会力を育成する体験学習プログラムを運営し、大学と地域との橋渡し役となる社会力コーディネーターを務める武田直樹氏を迎えご講演いただきました。今年で11年目を迎えたオフ・キャンパス・プログラム実施の仕組みやその特徴をご説明いただき、これまでの活動実績を記録映像を流しながらご紹介いただきました。

 筑波学院大学に通う多くの学生は、地元から自宅通学し、そのまま地元で就職する場合が多く”地域に根ざしていること“や、筑波研究学園都市に位置し“多様な社会資源をもつ地域柄”などを強みとして運営されているのが、筑波学院大学のオフ・キャンパス・プログラムです。現在では1年次生から2年次生を対象に必修科目としてカリキュラムに取り入れられ、学生全員が社会と関わることのできる体験学習プログラムとして数多くの活動が実践されてきました。活動分野はまちづくりや社会教育、国際、文化、環境、福祉、情報、科学技術など多岐にわたり、中には複数の団体で掛け持ちしながら活動を行う学生や、卒業論文や進学・就職にまで繋がっている学生もいると現状を解説されました。

 活動事例の紹介では、つくば市の協力のもと、搭乗型モビリティロボット「セグウェイ」と超小型モビリティを使用した下校児童の見守り活動や、オフ・キャンパス・プログラムの発展形の事例として、近年災害が多く発生しているつくば市周辺での災害時対応活動について解説されました。

 講演終了後には、「入学してくる学生の大学選択基準の中にオフ・キャンパス・プログラムのことがどの程度含まれているのか」、「他大学の学生との連携の在り方について調整方法などを伺いたい」などの質問が来場者から寄せられました。それらの質問に対し武田氏からは、「入学希望者への、大学が全学的に行っているプログラムの広報の仕方については試行錯誤中であり、オープンキャンパス時に学生自身にプログラムでの活動をプレゼンテーションしてもらい、社会に出るということはこういうことだよと提示することで、リアリティをもってもらうことができるのではないかと思います。」「他大学の学生との連携活動については、私自身が仕掛け人となって、学生たちに働きかけるようにしています。同じテーマのもと共に活動していく上で本当に重要なことは何かを伝えるなど、学生たちが打ち解け合うきかっけをつくるよう心がけています。初めの動機づけが重要だと思っています。」とご回答いただきました。

第2部 パネルディスカッション「私たちの学びとこれから」

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 第2部の「私たちの学びとこれから」と題したパネルディスカッションでは、第1部に続き武田氏にコメンテーターを務めていただき、東海大学『地域カフェ研究会「Three Café」』の村井健太郎さん、名古屋学院大学『まちづくりカフェ「マイルポスト」』の志治恭兵さん、東海大学『地域安心ネットワークプロジェクト』の眞中絢美さん、芝浦工業大学『ロボット技術による見守り健康支援等スマートタウン構築プロジェクト』の野見山大基さん、東海大学『Takanawa共育プロジェクト』の菅野真優花さんが登壇し、それぞれが取組んでいる地域との連携活動を紹介し、活発なディスカッションが行われました。

 活動を通して得られた成果や、学び、気づきについて、名古屋学院大学の志治さんは「イベント企画時には弊害が多くあることに気づいた。タイムテーブルや場所はこれでいいのか、集客は見込めるのか、イベントの進捗状況はどうかなど、活動に参加し始めたばかりの学生ではなかなか気がつくことができない部分は多くあり、その気づきにいたるまでの、地域商店街の人との意見交換が重要だった。」と語りました。また、東海大学の眞中さんは活動していく上での人との関わりについて「先生方やアドバイザーの方、また行政の方々など、活動の中で様々な人と関わり、それぞれが色々な形で努力しているということを改めて知ることができた。また、そのような“人”との関わりの中で、私も地域のために頑張ろうというモチベーションを見出すことができた。」と語りました。課題発見、課題解決を図るための力をどのように醸成していくべきかを伺い知ることができた他、学生たちの地域に対する愛着をも感じることのできるディスカッションとなったのではないでしょうか。

 質疑応答では、会場となった高輪地域の住民の方や、本学学生からも質問が挙がり、活発に意見が交わされました。

 最後に、内田晴久大学運営本部長が閉会の挨拶を行い、「地(知)の拠点整備事業で取組むべきことは、新しい教育のあり方、システムを開発していくことだと考えております。また、地域や社会に出て行って、問題を発見し、問題を解決に導くために考え行動するという、パブリック・アチーブメント型教育を具体的にやっていかなくてはなりません。学生には、そのようなことができる力を着実に身に着けていってもらいたいと思います。今回のシンポジウムでの発表を通して、地域との連携活動は答えのない取組みで、そのやりかた・あり方は本当に多様であると感じました。これまでに遭遇したことのないような問題がたくさん出てくるような今の時代において、より積極的に問題解決していこうという精神を養い、育成していけるようなプログラムを様々な分野で着実に取組んでいければと思っております。」と今回のシンポジウムを締めくくりました。


ご来場ありがとうございました。

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