―地域連携講座―「グローバリゼーションと反グローバリズム~経済学史の視点から~」を開催しました

2017年3月11日(土)東海大学サテライトオフィスにて

「グローバリゼーションと反グローバリズム~経済学史の視点から~」

を開催しました。

講師:井上 孝 (東海大学名誉教授)

 今回、講師を務めてくださった井上先生の専門分野は経済理論および経済学史です。イギリスのEU離脱問題、米トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」、地球温暖化対応の変化、TPP離脱、ヨーロッパの移民拒否(極右政党の台頭)など盛り沢山のテーマに沿って、激動の世界の“いま”を経済学史の視点から解説いただきました。

 「ロビンソン・クルーソー漂流記を読むとよく分りますね。イギリスをはじめヨーロッパの歴史は奴隷貿易で栄え、沢山の人々を奴隷にして世界中に拡散しておきながら、今は移民を拒否する時代となっています。世界の人口は産業革命以降、急速に増加し、とりわけアジア、アフリカの人口増は著しく、2050年には93億人と予想されています。近い将来、日本のわたしたちの近くにも大勢の移民が暮らすようになるのではないでしょうか」と語りました。また、イギリスのEU離脱問題やアメリカトランプ大統領の政策についても、「経済学(説)史」の観点でポイントを絞り、政治的な難しい内容をユーモアも交えながらわかりやすくお話いただきました。

 「教育が一番大事だと思います。今このような時にこそ、知識人が立ち上がらなければいけない。ことあるごとに情理を尽くして語らねばならない。そして、これからは人にも環境にも“思いやり”を大切にしなければならないのです」と講演を締めくくりました。

 講座終了後も、井上先生のお話をもっと拝聴したいと、受講者の方々に囲まれて熱心にお話される井上先生の姿が印象的でした。受講者のみなさんからは「非常に興味深いお話でもっとゆっくりうかがいたかったです。」「富の配分など重要なお話を聞くことができて大変勉強になりました」などの声が寄せられました。