トコラボケース 福崎先生 アイキャッチ画像

2014年度 [ 地域志向 ] 世代を超えた知の共有を目指したパブリックアチーブメント型教育プログラムの構築

世代を超えた知の共有を目指したパブリックアチーブメント型教育プログラムの構築

取組代表者

福﨑稔 【高輪教養教育センター】
(高輪校舎)

共同取組者

村松香織・田丸智也・田中紀代子(高輪教養教育センター)、渡辺晴美・福原雅朗(情報通信学部組込みソフトウェア工学科)、濱本和彦(情報通信学部情報メディア学科)、千賀康弘(海洋学部海洋地球科学科)

取組の概要

本研究における課題は、子ども教育支援を大学、地域、行政が一体となって推進することで、学生のPBL(Project Based Learning)教育を実践することである。さらに大学解放と地域貢献の取り組みを基礎として、学生と港区の協働を視野に入れたPublic Achievement型教育プログラムを構築する。この課題に取り組むために、高輪地域児童館、小学校、地域高齢者および港区高輪地区総合支所の協力を得て、子ども教育支援プログラムを立ち上げた。まず大学敷地内に子どもの安全な居場所(たかなわ子どもカレッジ)を提供し、子どもが自由に集う空間の運用を開始した。ここには港区の支援によって児童館から管理スタッフが派遣されている。また大学専門分野や教養知識を活用した教育を小学生・保護者に提供することで、知的財産の地域への還元を行った。学生チームが子ども教育の役割を担うことで、学生は地域社会と密接な関わりを持つ機会を得る。このことが契機になり学生は地域における課題に直面し、地域・行政と協働して問題解決へ向けた行動を起こしやすくなる。この場合に学生が関わるのは近隣町会・商店会・小学校・児童館・シニア会(チャレンジコミュニティ・クラブ)・港区高輪地区総合支所協働推進課などである。

取組の成果

今年度は港区の協力の下で大学内に子どもカレッジを設置し運営を開始した。さらに子ども向け教育コンテンツの作成および授業形式での実施実験を行うことができた。この授業では学生はチームを編成し子ども向けコンテンツを作成するが、その工程管理や全体の進捗管理のためのコミュニケーション力育成などPBL教育としては非常に効果的であった。さらに地域児童館との日程調整や広報活動も学生が深く関わって進めた。これによって地域・児童館・港区との繋がりが深まり、学生は地域の課題を自然に共有できるようになっている。このことから今回の環境整備はPublic Achievement型教育には非常に有効であることが確認できた。実際に学生の一部は港区高輪地区協働推進課と子ども教育以外のボランティア活動などでも交流を深めており、様々な区民協働企画に参加する意義を深く理解するようになった。また清水校舎海洋学部学生との校舎間交流による教育コンテンツ作成(おさかなホネ標本)においても、作業工程における異なった専門領域の理解には体験実習で取り組み、「学び」の達成感を得る良い機会であった。また学部特有の学生気質に触れることで自身の学生像を再認識する効果も見られた。学生の技術力育成の観点では、「教える」ことで知識が定着して、世代が異なる子どもへの教育の成功を目指してより深く自ら学ぶ姿勢が見られた。「たかなわ子どもカレッジ」の運営については港区の平成27年度予算委員会でも議題となり予算化される予定である。

福崎:~1
  • 取組テーマ:大学開放
  • 対象者  :指定なし
  • 取組タイプ:社会貢献
  • 連携自治体:港区