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2014年度 [ 地域志向 ] 大学公開講座におけるアクティブ・ラーニング導入と講座効果向上のための研究(2)

大学公開講座におけるアクティブ・ラーニング導入と講座効果向上のための研究(2)

取組代表者

長 幸平

共同取組者

平野 葉一(文学部ヨーロッパ文明学科)、内田 晴久(教養学部人間環境学科自然環境課程)、白澤 秀剛(情報教育センター)、丸山 有紀子(情報教育センター)、坂田 圭司(情報教育センター)、園田 由紀子(チャレンジセンター)、田中 真(情報教育センター)

取組の概要

受講者が自ら積極的に学ぶことで教育効果を高めることを目的とした「アクティブ・ラーニング※」は全国の大学で積極的に導入されようとしている。本研究では、「アクティブ・ラーニング」を大学公開市民講座に導入することで、地域と連携し主体的に学びを進める公開市民講座の確立を目指す。 具体的には、アクティブ・ラーニング支援機器(クリッカー・電子黒板・タブレット端末・無線LAN・グループワーク収録装置)を、講演・グループ ワーク・パネルディスカッションへ活用し、より効果的な公開市民講座の運営方法を検証する。

昨年度我々のグループによる公開市民講座「青少年のSNS利用と企業のセキュリティーポリシ」の成果を受けて、本年度の公開市民講座では,「青少年のSNS安全利用のための家庭内セキュリティ教育」を開催する。

家庭内のセキュリティ教育と保護者のセキュリティ意識の実態を約4000名のWebアンケート調査を行い、それを比較データとする。その上で、公開市民講座参加者のセキュリティ意識を参加前後で比較、さらに全国データと比較し、アクティブ・ラーニングの教育効果を検証する。また、この結果を用いて、家庭教育の拠点としての大学利用の確立を目指す。

※「教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し,相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修」中央教育審議会答申(2012)

取組の成果

アクティブ・ラーニング支援機器については昨年度の公開講座で効果的であったミーティングレコーダーやタブレット端末に加え、グループワークのより一層の充実を目指し、大型資料作成用の大判プリンタ、グループワークの討議内容を瞬時に全体と共有するための無線LANプロジェクタ投影システムを準備した。 大判プリンタで印刷したグループワーク用討議シートに、参加者個々の意見を書いた付箋を貼り付け、タブレット端末で撮影することで瞬時に会場のプロジェクタに投影できるようにした。同時にタブレット端末では、付箋を貼り付けたグループワーク討議シート全体を撮影するだけで、個々の付箋を識別し、個別に表示も可能なアプリを導入することで、より効果的なグループ討議結果の発表を可能とした。

これら機器に加え、参加者が公開講座に参加する時点での知識差を補うために事前に閲覧可能かつ、高い臨場感を持った閲覧を可能とするための4Kウルトラハイビジョン動画資料の作成を実現する設備を準備し、約5分~7分の動画コンテンツを3本作成した。この動画コンテンツは、公開講座実施前の5日間、インターネット上で公開する。

講座効果の検証については、検証の指標となる全国平均値を得るため、保護者向け全国Webアンケートを実施し、4407名の回答を得た。4407名の内、257名の保護者からは、より詳細なアンケートに回答してもらうことで、家庭内の教育の実態や問題点が明らかになった。この詳細なアンケートを、公開講座参加の保護者にも回答してもらうことで、公開講座前後での意識の変化について測定する。

公開講座は3月21日(土)に実施が予定されており、最終的な効果検証はこの公開講座で実施する。

  • 取組テーマ:大学開放
  • 対象者  :指定なし
  • 取組タイプ:教育