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2015年度 [ 地域志向 ] 「東海大学市民健康スポーツ大学」を中心とした市民の健康づくりの支援活動(市民会員の身体活動量と心身の健康度の関連性の分析及び学生と市民との世代間交流活動)

「東海大学市民健康スポーツ大学」を中心とした市民の健康づくりの支援活動(市民会員の身体活動量と心身の健康度の関連性の分析及び学生と市民との世代間交流活動)

取組代表者

沓澤 智子 【健康科学部 看護学科教授】
(伊勢原校舎)

共同取組者

谷口 幸一(健康科学部社会福祉学科 教授)、松木 秀明(健康科学部看護学科 講師)、池内 眞弓(健康科学部看護学科 准教授)、吉川 政夫(体育学部生涯スポーツ学科 教授)、石井 美里(健康科学部看護学科 准教授)、東 奈美(健康科学部社会福祉学科 准教授)

取組の概要

 健康科学部は、体育学部生涯スポーツ学科とともに、伊勢原市と連携し、毎年100名の市民会員に対し、年間24回の健康講座およびスポーツ指導を行っている(東海大学市民健康スポーツ大学)。このプログラムには、市民会員の健康度の測定が含まれている。また、万歩計を貸与し、毎日の歩数を計測している。2015年度は、市民会員の日常活動状況の実態調査と、体格・骨密度・メンタルヘルスとの関係を明らかにし、市民会員にフィードバックしたい。 また、この市民健康スポーツ大学を3年継続した修了者の会(愛称 楽遊会)への支援をしていく。具体的には、楽遊会の会員と、健康科学部の在学生との世代間交流活動を企画して、学生の教育と市民会員の生き甲斐活動に役立てていく。

市民会員の身体活動量と心身の健康度の関連性の分析
 健康科学部は体育学部生涯スポーツ学科とともに、伊勢原市と連携し、東海大学市民健康スポーツ大学を毎年6月~5月まで1年間行っている。これは、会員登録をした伊勢原市民約100名を対象に、単にスポ-ツの実践のみでなく、健康・福祉に関する講演や実技を通して、健康維持・増進を促進することを目的として、年間24回の健康講座およびスポーツ指導を行っている。この中のプログラムとして、市民会員の健康度の測定および毎日の歩数の計測を行っている。今年度は、東海大学市民健康スポーツ大学の市民会員の日常活動状況の実態調査と、体格・骨密度・メンタルヘルスとの関係を明らかにし、市民会員にフィードバックする。これらのデータの活用に関しては、本クラブ開講以来、市民の健康測定データの管理ならびに本学の教育と研究に資することの「説明と同意の文書」を取り交わしている。

学生と市民との世代間交流活動
 東海大学市民健康スポーツ大学は3年継続すると、修了することになっている。昨年より修了した会員が、スポーツの継続と会員の交流をはかるために、楽遊会というグループを作り活動している。この会員と、健康科学部の在学生との世代間交流活動を企画して、学生の教育と市民会員の生き甲斐活動に役立てていく。具体的には、社会福祉学科の「地域保健福祉活動論」(春セメ、履修学生数 56名)、「生涯健康活動論」(秋セメ、履修学生数 43名)において、市民が授業に参加し、グループディスカッションすることを企画した。

 

取組の成果

市民会員の身体活動量と心身の健康度の関連性の分析
 2012年度~2014年度の本健康クラブ市民会員の体格・体組成・血圧・1日の平均歩数などについて、各年度について比較したところ、2012年度と2014年度は差がなく、健康度が維持されていた。市民会員は60歳以上がほとんどで、スポーツ習慣と健康的な生活習慣を身に着けたことにより、健康寿命を延ばすことにつながる可能性が高い。
 2009年~2015年の調査で測定デ-タが得られた対象者について、GHQ60によるA(身体的症状)、B(不満と不眠)、C(社会的活動障害)の「問題のない群」と「注意を要する群」間に有意差が認められた万歩計の項目はなかったが、D(うつ傾向)における「問題のない群」は、1日当たりの積算歩数(歩)と1日当たりの歩行による脂肪燃焼量(g)において、「注意を要する群」に比べ有意に高値(p<0.05またはp<0.01)を示した。(To-CollaboプログラムWebサイト「To-Collaboケース」参照)
 「うつ傾向」を示すものは、内にこもりやすく、運動量が少なくなることが示唆され、今後、本健康クラブに参加することにより、外出する機会や、友人と談笑する機会が増加することによって、うつ傾向を改善し、心身共に健康を維持して頂きたいと考えている。

学生と市民との世代間交流活動
 若者も高齢世代もお互いを知らないが、知りたがっていることが、この取り組みを通じて感じられた。学生たちにとっては、おじいさん・おばあさんと同じ年代の方々から、人生の来し方の語りや人生経験から得た知恵を、言葉と触れ合いを通じて、伝えていただき、学生自身の人生を考えるきっかけになっている。市民会員にとって、学生とコミュニケーションをとることが楽しみであり、活動を継続していく魅力の一つになる。

成果物

[ 東海大学トコラボ研究実践報告集 2015年度 ]
画像をクリックするとPDFでご覧いただけます。

Kutsuzawa reports 2015

  • 取組テーマ:スポーツ健康
  • 対象者  :指定なし
  • 取組タイプ:社会貢献
  • 連携自治体:伊勢原市