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2015年度 [ 地域志向 ] 連動・連携型大学生メンタルサポーター活動の展開~連動・連携型地域貢献活動が地域学校及び大学生に与える効果~

連動・連携型大学生メンタルサポーター活動の展開~連動・連携型地域貢献活動が地域学校及び大学生に与える効果~

取組代表者

芳川 玲子 【文学部 心理・社会学科】
(湘南校舎)

共同取組者

宮森 孝史(文学部心理・社会学科 教授)、菅沼 真樹(文学部心理・社会学科 講師)、山田 幸恵(文学部心理・社会学科 准教授)、小川 恒夫(文学部心理・社会学科 教授)、浅井 千秋(文学部心理・社会学科 教授)、飯島 祐介(文学部心理・社会学科 講師)

取組の概要

調査により、地域が大学の心理教育相談室に求めるニーズは、専門的な助言、教職員向け研修の実施、児童生徒集団への予防的アプローチ、大学生メンタルサポーターの派遣などがある。前年度はそのニーズに合わせて、大学生メンタルサポーターを養成し、学校に出向いての実習も行った。その後の成果報告会において、地域学校から、学校の教員も大学生も成長できる活動があればさらに良いとの声があって、今回の連動・連携型大学生メンタルサポーター活動の取り組みの企画に至った。

心理学及び社会学の素養のある大学生及び大学院生有志を大学生メンタルサポーターとして養成し、①地域貢献:地域学校へ出向き、学校のニーズに合わせた貢献活動を行うこと。②人材育成:メンタル面における対人援助力、社会人基礎力を身につけること。具体的には:
①地域貢献:学校行事への参加及び学校問題解決・改善への手伝い
②人材の育成:大学生の対人援助力(対人コミュニケーション力、問題発見力、問題解決力)及び社会人基礎力(前に踏み出す力(アクション)、考え抜く力(シンキング)、チームで働く力(チームワーク))の育成。

なお、大学生メンタルサポーターの役割の役割は以下のようにした。
a,学校安心・安全に関する予防的活動
b,緊急対応後の児童生徒の安心・安全感の回復
c,問題の再発防止
d,緊急時、専門家の指示のもと、補助的な役割を果たせる存在

{手法}:地域貢献デザイン

芳川01
中学生の感想をグループワーク後に尋ねる。

サービスラーニングモデルによる大学生メンタルサポーター人材育成
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メンタルサポーターには、11月及び2月にアンケート調査を実施する。

{経過}:6月 メンタルサポーター募集、7月~9月 養成講座実施、9月上旬 中学校から課題の依頼・サポートグループ分け、9月中旬 サポーターが中学校へ運動会・合唱祭・授業参観に参加・手伝い、11月 学級分析・学級観察開始、12月 秦野市・大磯町の中学校との連絡会議の実施、学級に実施するワークを考案、作成、2月 ワークの実施、2月27日 中学校を招いての成果発表会の実施。

 

取組の成果

①二つの中学校に出向き、教員とともに、各学級の様子を検討しながら、中学校1年生から3年生を対象に学校のニーズに沿ったグループワークを行った。中学生からは、

・ 自分の良いところがわかったし、友だちのことも考えられたので楽しかったです。
・ この授業をやって実は色々なこと、色々な人に毎日感謝していることがわかって良かった。
・ 「ありがとう」を言葉で聞くと思ったより嬉しかった。感謝の気持ちを伝えることは大切だと思った。

等の感想を頂くことができた。

②人材育成においては、対人援助力及び社会人基礎力両方とも有意に差があった。特に、大根中学校グループでは、読解力と考え抜く力、大磯中学校グループでは、自己主張、考え抜く力が活動前と活動後とでは大きな変化が見られた。大学生は活動を通して、手ごたえを感じられたことがいえる。

  • 取組テーマ:安心安全
  • 対象者  :指定なし
  • 取組タイプ:社会貢献
  • 連携自治体:秦野市、大磯町