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2015年度 [ 地域志向 ] 交通インフラの変革に対応した地域観光資源の活用

プロジェクト概要

取組代表者

田中 伸彦 【観光学部 観光学科教授】
(代々木校舎)

共同取組者

菅井 克行(観光学部観光学科 教授)、本田 量久(観光学部観光学科 特任教授)、遠藤 晃弘(観光学部観光学科 講師)

取組の概要

 圏央道が、茨城県境古河から神奈川県茅ヶ崎まで開通した。それに伴い、車による首都圏の観光導線が大幅に書き換えられた。
 神奈川県平塚市・大磯町は、圏央道の西側に隣接する。そのため、域内への入込観光者が大きく変動することが想定される一方で、圏央道は反対方向(東側)に延伸するため、観光資源を適切に活用した計画を樹立しないと素通りされる可能性もある。
 本課題ではTo-Collabo で上記市町と取り組んできた既存研究・実践の成果等をベースに、交通インフラの変革に対応した地域観光資源の活用法を考察する。
 具体的には、平塚市では、観光客の動線を市内南部から北西部の里山地域まで繋げる方策についての検討を行う。大磯町では、北関東圏のマーケットに対し、海をテーマにアピール展開する方策を検討する。

取組の成果

 平塚市内の国道134号線沿線にハブ(立寄拠点)をつくり、圏央道からの観光客の動線誘導を検討している。また、観光動線を圏央道から平塚市北西部の里山地域まで繋げるため「吉沢八景選定プロジェクト」を推進し、里山散策と展望を核としたデスティネーションづくりを進めた。
 また大磯町では、北関東圏のマーケットを対象に、海をテーマにアピール展開する方策を検討した。具体的には、車両来訪実績や所要時間など、数十項目の来訪データを取得・分析した。その結果。圏央道経由で1時間以上かけて来訪する観光客が多く確認できることが明らかにされた。
 神奈川県は、ブランドイメージは高いものの、観光デスティネーションイメージの形成という点では最も統一感に欠ける都道府県の1つである。その中でも、西湘地域は観光旅行の狭間と見なされ、デスティネーション化が進んでいない。
 本課題を通じて、圏央道のお陰で観光入込の増加が期待される平塚市、大磯町に対して、東海大学が「地(知)の拠点」として振る舞うことで、観光まちづくりの側面から長期的展望に立って、社会貢献できうるエビデンスや地域活用法を地域に即した形で構築し、寄与できたと考えている。
 また、この取組へ東海大学の学部生・大学院生に参加してもらったことにより、観光資源計画と交通計画という観光上重要な2つの施策の融合に関し、現場を通じた職能が育まれると考えられる。そのため、地域志向教育の場として本課題は有効な役割を果たすと考えられる。
 更に、本課題の取組プロセスには一定の汎用性があると考えている。つまり日本国内においては、今後も高速自動車道や鉄道などの交通インフラの新規開業や路線変更が予定されているため、他地域で「交通インフラの変革に対応した地域観光資源の活用」に関わる地域志向教育や観光まちづくりを行う際のプロトタイプとして活用できると判断している。

  • 取組テーマ:地域観光
  • 対象者  :指定なし
  • 取組タイプ:社会貢献
  • 連携自治体:平塚市、大磯町