パブリック・アチーブメント型教育教職員研修「PAワークショップ」を開催しました


8月18日(火)、19日(水) 東海大学湘南校舎18号館サイエンス・フォーラムにて


パブリック・アチーブメント型教育教職員研修
「PAワークショップ」



を開催しました。

本研修会は、本学における全学的なPA(Public Achievement)型教育の導入・推進に先駆け、本学の教職員がPAに関する理解を深めることを目的として2日間に渡り湘南校舎にて開催されました。当日は、湘南、高輪、清水、伊勢原、熊本、阿蘇キャンパスから集まった教職員や他大学の学生ら36名が参加しました。
PAの先進国である米国Augsburg College PAナショナルオーガナイザーのデニス・ドノヴァン氏を講師にお迎えし、シティズンシップ(PAのコア・コンセプト)の紹介、若者のシティズンシップ育成における支援者(教員、職員)の役割とスキル開発、Civic Agency(市民的エージェンシー)やPAプロジェクトの運営方法から授業への活用などについてお話いただきました。
また2日目には、実践形式でパブリック・アチーブメントのプロセスを体験するワークショップを実施しました。

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パブリック・アチーブメントとは

パブリック・アチーブメント(Public Achievement)は、立場や置かれている状況の異なる市民が社会で共存するためのルールを作り、環境整備を行う市民運動の中で、若者たちが社会活動を通して社会における市民性を獲得していくための実践とこれを推進するための組織・学習プログラムです。本学では、2017年度にPA型教育推進のための基礎科目として、「シティズンシップ」「ボランティア」「地域理解」の三科目を全学必修の科目として開講することを計画しています。

1日目

1日目は、梶井龍太郎副学長から挨拶があり、研修の目的、2017年度カリキュラム改訂に向けた進捗状況に関する説明がなされた後、ドノヴァン氏によるシティズンシップについての解説から研修がスタートしました。
PA型教育を行ううえで、重要となるのは「Civic Agency(市民的エージェンシー)」であり、Civic Agencyの特徴についても詳しく解説していただきました。学生にとっての最初の大きな課題は何でしたかというドノヴァン氏の問いに対して、PAコーチの経験を持ち、ドノヴァン氏のアシスタントとして参加したエリザベス・ボットさんは「自分は何に関心があるのか、なぜ情熱を感じるのかを知ることが最初の大切なステップでした。」と答えていました。また、ミネソタへの留学時にPAの授業を受講した経験のある中央大学生の山崎量平さんは「自分自身が主役となりクラスの中で意見を発表することが課題でした。」と述べていました。このように学生たちが感じる課題を解決していくことで、Civic Agencyの醸成につながるとドノヴァン氏は解説されました。
参加者に対しては「日本社会における現在の課題は?」という質問が投げかけられ、参加者から次々に挙がった回答を、日本の考え方の一部として興味を持たれた一方で、「米国でも課題は類似している。自ら行動を起こす人材を養成していかなくてはならない。また、今回挙げられたような課題や問題について、日ごろから学生と話し合う機会を設けていくべきだ。」と述べられました。PAを実践するにあたり必要と考えられるプロセスの解説時には、参加者と活発な意見が交わされました。

2日目

2日目は「Learning about how to create free space in the classroom」「Learning about how to evaluate student’s outcomes in PA classes and projects」と題し、若者の社会参加に関する自己関心(self-interest)の引き出し方、One-on-One インタビュー、Power mappingなどの紹介をしていただき、ワークショップを実施しました。

参加者からは、
「講義だけではなく、ワークを含む研修であったので、理解度が高まったと思う。PA教育に関するガイドブックを読むだけではわからない細かいことを学ぶことができて良かったと思います。」
「これまでのFDで海外研修の報告という形でうかがっていたPAについて、直接レクチャーを受けることができてとても有意義でした。とても理解が深まったと思っています。」
「学部初年次教育、専門ゼミのあり方を考える機会となりました。自分の行っている教育が確認できました。このような教職員の学ぶ機会が増え、学内で普遍性を持つことを望みます。」
などのコメントが寄せられました。

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