が開催され、学内外より66名が参加しました。
本イベントは、2016年度To-Collaboプログラム 地域志向教育研究経費採択課題 「生命科学実習を通じた地域連携による幼児教育と初等教育の橋渡しの試み」(代表:阿部 幸一郎 医学部医学科基礎医学系 准教授)の活動の一環として行なわれたものです。
医学部では8月5日と6日に伊勢原市立子ども科学館と連携し、地域の小学生や保護者を対象とした科学実験教室と研究室ツアーを開催しました。この講座は、次世代を担う子どもたちや保護者らに医学研究への理解と関心を深めてもらうことを目的として、毎年夏に開講しています。今年度は、上記課題の一環として、医学部医学科基礎医学系に所属する教員や生命科学統合支援センターの技術職員らが講師を務め、さまざまな観察や実験をしたり、研究室や研究設備の見学などを実施しました。今回は、初めて幼稚園児・保育園児を持つ保護者も対象とし、伊勢原市や秦野市、平塚市などに在住の小学4年生から6年生11名のほか、保護者8名と園児も参加しました。
初日は同科学館で、「いろいろなミュータント(突然変異体)の観察」をテーマに科学実験教室を実施。参加者は、石井直明教授や阿部幸一郎准教授、竹腰正隆非常勤講師の指導のもと、顕微鏡を使ったセンチュウの観察や、正常な遺伝子型を持つマウスと突然変異を起こしたマウスの骨格標本の比較観察に取り組みました。また、各自の口内粘膜の細胞からDNAを抽出する実験にも挑戦し、それぞれが採取したDNAを専用のペンダントに納めました。「研究室を見学してみよう」と題した2日目は、伊勢原キャンパスにある医学部基礎医学系の7研究室と生命科学統合支援センターを見学。各研究室では学生や大学院生、教員が研究内容や最新の実験装置や分析機器などについて説明し、参加者は熱心に耳を傾けていました。最後に石井直明教授が、参加者一人ひとりに修了証を手渡しました。当日の補助を行った学生たちからは、「子どもたちの素朴な疑問が意外に深みがあり、驚きました」「自分とは違う着目点に関心させられました」などの声が聞かれ、学生たちにとっては自らの研究を振り返る新鮮な機会となったようです。
全プログラムの終了後に実施した交流会では、参加者の要望に応えて、学生が医学部での勉強内容を紹介したり、大学院生が研究生活について語るなど、世代を超えた活発な意見交換を実施。生徒たちは、「実験がとても楽しかった」「また参加したい」と目を輝かせていました。また保護者からは、「伊勢原キャンパスでは最先端の医学研究も行われていることを、初めて知りました」「普段は入ることのできない研究室などを見学することができて、貴重な体験になりました。”地域に開かれた大学”という印象を受けました」「とても充実した講座でした。ぜひ今後も実施してほしい」といった声が聞かれました。
上記課題の代表を務める阿部准教授は、「子どもたちに医学研究に興味を持ってもらうために、まずは親の理解を深めてもらおうと考えました」と、園児の保護者も対象にした理由を説明。「難しい内容だと思っていましたが、保護者と一緒に実験や研究室ツアーに臨んだ園児たちは、とても興味を持って参加していました。カオス(混沌)となるかと心配でしたが、不思議なことに途中からハーモニー(調和)が生まれました。全く予想外でした。また、質問コーナーでは小学生から多くの難しい質問が出され、教員もたじたじとなり、よい刺激を受けました。参加者から継続を望む声も数多くいただいたので、来年度以降も続けたい」と話していました。
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