2016年8月27日(土) 東海大学サテライトオフィスにて
地域連携講座
シリーズ「ロシアの人々と社会」
第3回「ロシア語人にとって宗教とは」
を開催しました。
講師:山下 万里子 (東海大学名誉教授・日本対外文化協会理事)
シリーズ「ロシアの人々と社会」の第3回目は“ロシア人にとっての宗教とは”と題して、ロシア正教の歴史、カトリックとの違い、日本におけるロシア正教の導入過程など、興味深いエピソードとともに「ロシア正教」について解説がなされました。
ソビエト時代にはロシア正教が否定・弾圧されました。しかし、庶民は隠れて教会に行き、子どもに洗礼を受けさせ、玉葱の皮と一緒に茹でて茶色に染めた玉子で復活祭を祝うなど、ロシア人から宗教を完全に取り除くことはできなかったそうで、ロシア人の宗教に対する意識について詳しく語られました。
ソ連時代に爆破されたモスクワにある救世主キリスト大聖堂。その跡地には、一度は野外温水プールが造られましたが、ソ連崩壊後、同じ場所に再建されました。今ではプーチン大統領も訪れる有名な建築物にも宗教に関連した歴史があり、山下先生のお話からは“ロシア人と宗教”といっても壮大な歴史が背後にあるということが伺い知れました。
日本に初めてロシア正教を伝道した聖ニコライに関するお話では、日本で最初の信者になった坂本龍馬の従弟の沢辺琢磨(サワベタクマ)の逸話について紹介されました。なんと、沢辺はニコライをロシアのスパイだと思い、はじめは殺すつもりで訪ねたのだそう。しかし、ニコライからハリストス正教の教えを受けると、すっかりその考えに魅せられ、とうとう信者になってしまったと面白く語られました。最後には山下先生ご自身の宗教観についてのお話もされました。
受講者のみなさんからは、「ロシア人の宗教観に親近感が持てた」「時代による宗教の移り変わりなど大変興味深いお話でしたと」の声が寄せられました。
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