公開セミナー「神奈川県相模川下流域の自然災害と防災対策」を開催しました
湘南キャンパスで3月11日に、公開セミナー「神奈川県相模川下流域の自然災害と防災対策」を開催しました。To-Collaboプログラムの大学推進プロジェクト「地域デザイン計画 安心安全事業」による活動の一環で、地震や洪水といった自然災害に対してどのように備えればよいのか、本キャンパスが所在する平塚市を例に専門家の知見から紐解きました。
当日は平塚市や秦野市などに住む地域住民や教職員が参加。有識者による講演では、公益財団法人リバーフロント研究所の土屋信行氏が登壇しました。東日本大震災の映像をもとに大津波発生時の対応について解説し、助かった事例の紹介や相模湾で大津波が発生した場合に置き換えたシミュレーションなどを発表しました。また、水害の視点からは、宇都宮大学地域デザイン科学部社会基盤デザイン学科助教の飯村耕介氏が、関東・東北豪雨によって生じた鬼怒川水害の被災事例について、気象情報から見る発生理由などを解説しました。また、平塚市が制作している「平塚市洪水ハザードマップ」も紹介し、マップの見方や補足情報を伝えるなどして、日ごろから危機意識を持つよう参加者に呼びかけました。
続いて、情報理工学部情報科学科の内田理教授が「災害時のインターネット活用~自分を守る・みんなを助ける~」と題して、情報の視点から見る災害時の対応について講演しました。東日本大震災発生時の情報収集に「Twitterが役立った」と答えている人が多いというデータから、各自治体が行っているSNSを使った災害時の情報発信方法を紹介したほか、安心安全事業で研究・開発を進めている「Twitterを活用した災害情報投稿システム『Disaster Information Tweeting System(DITS)』」について説明。内田教授は、「こういったシステムをうまく活用することで、自助・公助につながります。使い方は簡単なので、皆さんもぜひ利用してみてください」と呼びかけました。次に、工学部土木工学科の梶田佳孝教授が登壇し、災害時の避難講堂調査の結果をもとに、災害発生時の避難シミュレーションを作成している研究案件について報告しました。そのほか、秦野市民を対象に行った防災意識に関するアンケート結果も紹介しました。
講演後の質問コーナーでは、参加者から「津波が起きたとき、海沿いに住んでいる人はどのように行動するべきなのか」「自治体は備蓄食をどの程度備えておくべきか」など多くの質問が挙がり、活発な質疑応答が交わされました。