2014年度 [ 地域志向 ] 島国・火山国日本における先進的発電技術を用いた創エネルギープロジェクト
島国・火山国日本における先進的発電技術を用いた創エネルギープロジェクト
取組の概要
我々の身の回りにある様々なエネルギ源である熱、波などから電力を回収する「環境発電技術」に対する注目度が高まっている。本研究課題である「越波発電」と「熱音響機関」は、自然エネルギの新しい活用技術である。海洋エネルギを活用可能な地域では、越波式波力発電によって漁港の冷蔵庫や製氷機などの電源確保が可能となる。さらに発電網が行き届かない離島などでも活用でき地域の大きな活性化・貢献が期待できる。地熱を活用可能な地域では、熱音響機関を用いた地熱発電が可能である。熱音響機関は現発電装置のようなタービンを利用しないことからコンパクトとなり、地産地消の発電システムとして地域の活性化に大きく貢献できる。
取組の成果
「熱音響機関」に関する研究では、新しく提案した多段増幅熱音響機関では全てのエンジンで局所的に高インピーダンスを形成し高効率エネルギ変換を実現した。現在、エンジンを2機接続した装置の動作を実現し、エンジン効率は熱力学上限の50%を超えた。また解析と実験の比較は良い一致を示しており、更なる多段化も可能である。
「越波式波力発電」に関する研究では、最も重要である各越波揚程に対する波エネルギと越波量との関係を明らかにした。また、越波式波力発電の砕波現象や傾斜板への遡上と越波量の数値シミュレーション手法を開発し、現象をほぼ再現することができた。今後、実験データに適合する実用段階のシミュレーションの開発を目指し、設置地点の波条件による設計に反映していきたい。