取組の概要
駿河湾産の水産物は、桜えびや生シラスなど、個々としては全国的に認知されているが、これらが山岳地帯や周辺の森、山を下る河川が運ぶ栄養分に富んだ水に育まれたい恵みであることは、十分に理解されていない。本プロジェクトでは駿河湾の魚介類を通して、重要な生物群が育まれる過程を多角的、総合的に理解し、無駄なく利用する方法を授業や体験集会を通じて学生、近隣地域の学童、市民に理解してもらう場や機会を提供し、限られた資源の保護と持続的利用について意識を高めてもらうことを目的とした。
取組の成果
静岡市内の学童、海洋学部の学生を対象に啓蒙活動を行った。富士山や三保松原の世界文化遺産としての価値のほかに、駿河湾特有の水産資源に対する陰ながらも多大なる影響について、地域の若年層に理解してもらうことで、物事の多面的価値を複合的、総合的に捉える能力を涵養することに努めた。本プロジェクトでは、駿河湾を代表する3つの水産物(桜えび、生シラス、未利用深海魚)を「駿河湾三宝」と名付け、清水・折戸発の新規ブランド名として、それらの歴史的背景、来処、生態系における位置づけ、食品学的特性や価値、機能性等について、様々な機会をとらえつつ積極的に発信し、静岡の豊かさについてイメージアップが図られた。