取組の概要
地震、豪雨、豪雪、津波等の大規模な自然災害が避けられない我が国では、発災前、発災時、発災後の時系列を考慮した対応策を平時から入念に準備することが必須である。例えば発災後の被害を最小限に抑えるためには、避難計画や情報収集・伝達手段、救援・救護体制に関する事前検討が極めて重要となる。
本プロジェクトの目的は、昨年度実施された安心安全に関わる二つのプロジェクト(「地震・豪雨等による自然災害に関する防災・減災及び救援」、「大学近隣地区住民の防災意識向上と地域連携に向けた実践」)の取り組みを継続・発展させることにより、多様な災害への対応策を自治体や地域住民と連携して確立することである。具体的には、地震予知、津波浸水予測、河川監視、災害外傷予防、高齢者見守り、災害情報収集などの研究活動を地域連携の形で実施する、もしくは研究成果を自治体や地域住民に広く展開していくことにより、地域の防災・減災力強化への貢献を目指す。また、フォーラムなどのイベントを通して、これまで各校舎単位で自治体や地域住民との連携により実施されていた安心安全に関わる取組みを他校舎・他地域にも紹介し、その普及を模索していく。大学近隣地域の防災マップづくりや防災訓練への協力など地域住民と連携して実践する活動には学生を積極的・主体的に関与させ、パブリックアチーブメント型教育の一環として推進する。
取組の成果
大学近隣地域の安心安全社会実現という目的に向け、様々なイベント開催や地域連携活動を実施した。今年度の主な取組は以下のとおりである。
- 「秦野市防災フォーラム~市民で考える防災・減災~」を2015年6月13日に開催した(湘南)。
- 「災害外傷予防教室」を2015年7月4日、8月17日、8月29日に開催した(伊勢原)。
- 「高輪まつり2015~防災・減災を考える交流会~」を2015年11月22日に開催した(高輪)。
- 「親子で楽しむ防災広場 in 湘南」を2015年12月13日に開催した(湘南)。
- 「東海大学災害救援ボランティア講習会」2016年2月22日、23日に開催した(湘南)。
- 秦野市大根地区の防災マップ作成に土木工学科の学生・教員が協力した。
- 土石流を予知するための観測システムを開発し、ワイヤレス・アイデア・コンテストのアイデア賞を受賞した。
- 大磯町を対象とした津波浸水シミュレーションの研究を推進した。
- “災害時の自助・共助について考える”をテーマにした授業を実施した(「挑み力(演習B)」)。
- 高輪校舎で学生主体の「地域安心ネットワークプロジェクト」の活動を始動した。
- Twitterを用いた災害情報共有システムを開発し、2015年8月30日のビッグレスキューかながわにて試行した。また、2016年1月27日の平塚市帰宅困難者対策訓練で利用された。
- 秦野市大根地区自治会から依頼された自転車盗難防止のポスターとチラシを作成した。
- 防災科学技術研究所が主催する「第6回防災コンテスト・e防災マップ部門」に参加した。