取組の概要
・ヤーコン(Smallanthus sonchifollus)は、アンデス地方原産のキク科作物で機能性作物として注目を集めている。そこで、ブランド作物としての定着を目指し、阿蘇地域の気候に適し、機能性成分の向上を図った品種の作出を目的として、異なる系統間での交配を行い雑種種子を獲得した。
・昨年度までに作出された雑種個体を栽培し、選抜基準として、気の性成分の指標となる葉におけるポリフェノール含有量を測定した。その結果、ポリフェノール含量と抗酸化性に高い相関が認められたことから、選抜指標としての有効性が示された。また、塊根収量・塊根糖度を比較したところ、収量は平均的で高糖度を示す系統が得られた。
取組の成果
・開花期が一致した94組合せで1416小花の交配を実施したところ、37組合せに由来する154種子で稔性が認められた。得られた種子をin vitro条件下で培養した結果、17の発芽個体が得られた。
・ポリフェノール含量と抗酸化活性を測定した結果、両者には正の相関があり、特に9月に採取した葉では0.95と高い相関係数が示された。雑種系統であるT26のポリフェノール含量は1.1mg/mlと高い値を示した。
・T26の糖度は、平均14.1°に対し15.9°と高く、阿蘇地域に適した高機能性品種の候補として選抜可能であると思われた。