取組の概要
■東海大学湘南校舎には松前記念館「歴史と未来の博物館」が設置されている。また、文学部では古代エジプト文明などの遺物が保管され、研究されている。さらに、図書館には欧文・和文を問わず種々の歴史的な貴重図書が所蔵されている。確かに期間を限った展示はあるものの、これらの文化財、遺物は必ずしも地域一般の人々に開示されているとはいえない。
■本計画では、湘南校舎が隣接する市町の博物館、美術館、資料館等と連携することで、大学が所蔵するこれらの文化財、遺物を広く一般の人々に開示し、大学が地域における知の拠点として貢献する方法の検討することを目指す。同時に、地域が所有する同様の文化財を可能な範囲で大学において開示し、学生の教育に活用する可能性についても検討する。
■具体的には、こうした相互の開示をはかるプロトタイプとして、タブレットを利用した簡易バーチャル・ミュージアムを試作し、その利用の可能性について検討する。その一方で、実際の展示を学内、学外で実施することで、大学が所有する文化財、所蔵物を中心とした大学と地域相互の将来的な連携についても模索する。
取組の成果
■本計画では、大学が所有する文化財、遺物のうち次の3種類について、一般に開示する一つのプロトタイプとしてタブレットを用いたバーチャル・ミュージアムを構想し、そのシステムを試作し、活用の可能性について検討した。
(1)松前記念館(歴史と未来の博物館)の展示品、所蔵品
(2)文学部が管理する古代エジプト文明の遺物
(3)図書館が所蔵する歴史的貴重図書
■これらの幾つかを写真撮影して電子データ化し、タブレット上で閲覧するシステムを構築し、大学から学外(自治体等の博物館、美術館など)に持ち出すことで、机上あるいはスクリーン上で開示することでの開示効果について検討した。
■一方、松前記念館に所蔵されているFM東海時代の録音テープを復元し、東海大学サテライト・オフィスにて一般に対する試聴会を実施した(右のポスター参照)。これは大学の歴史的所蔵品の地域への開示の一例である。