取組の概要
本研究で取り上げている「里川」は里地・里山や里海から派生した概念であるが、その定義については明確にされていない。そのため“里川づくり”を推進していくうえでは、流域住民が“里川”に対して共通した認識を持つ為の手法が必要となる。そこで、伊勢原市、秦野市、平塚市、そして大磯町を流れる金目川水系をモデルとし、実地調査および流域住民へのヒアリング、討論の内容から、『里川度』の確立を目指す
最終的には、水系全体の「地域資源を生かしたエコツーリズム」として、地域観光への活用をすることのできる里川度を目標とする。
取組の成果
▼ ①里川度原案の作成及び、②里川研究会の実施成果
①、②の調査研究から、里川度は「自然度(自然環境評価)」と「生活度(歴史・文化を踏まえた生活環境評価)」から構成され、これらはそれぞれ3つの項目から評価を行い10点満点で点数化をするものとした。(右上図)
里川度はこれら2つの評価それぞれから算出された数値から言葉に置き換え、誰にでもわかるような評価を里川度(暫定版)として作成した。(右下図)
▼ ③湘南里川づくりフォーラム実施成果 (2014年2月2日開催)
114名以上の流域住民が参加した。意見交換を実施した結果、金目川水系自体が多様な環境を併せ持っていることや、流域住民それぞれの思い描く「里川」が多岐にわたることから、すでに定義が示されている、里地・里山や里海と同様に一定な役割を持たせることが難しいことが示唆された。そのため、同流域内においても、地域毎の役割(地域特性)を見出していく必要性があり、『流域全体を通じて各地域が持つそれぞれの役割を充分に果たしている自然豊かな川』=『里川』であると考え、今後の評価作成に反映させていくこととした。