取組の概要
今後、人口減少が想定される日本では、定住人口を維持して交流人口を増やす「住んでよし・訪れてよし」の観光まちづくりによる地域活性化に期待が寄せられる。
平塚市北西部に位置する「ゆるぎ地区」では、「産官学民」4者連携による地域活性化の取り組みが平成19年から推進されてきた。現在日本各地で地域活性化が行われているが、当地のように「産官学民」の4者全てが正式に協定書に調印を交わしコンサルタントをファシリテーターに据えて実践している事例はほとんどない。(右図)
東海大学観光学部の田中ゼミ・本田ゼミは、この取り組みに観光学部新設時の4年前から関わり始めた。そして、地域の要望に応えて、学術的エビデンスに立脚した地域管理計画学に基づく「観光まちづくり」の実践的研究を、農的まちづくり等と併行しながら、地元平塚市ゆるぎ地区で行うことにした。
取組の成果
本年度は、ゆるぎ地区の観光特性を客観的に評価するため、「5×5フィルタリング法(田中2010他)」に基づく観光資源/施設の集中度解析(マクロスケール:下図)や、ゆるぎ地区の 「良いところ探し」調査を住民らとワークショップ形式で行い地図化する取り組み(ミクロスケール:右図)などを進めた。
その結果、ゆるぎ地区のマクロな観光ポテンシャルは「大山」「湘南」に挟まれ、谷状に低い事実が定量的・可視的に明示でき、ミクロ解析では富士山・大山・江ノ島などの眺望が楽しめる美しい里山景観や文化資源に恵まれた散策路が活用可能な事実と、活用へ向けての課題が明らかになった。