取組の概要
近年、学校現場では法教育の内容の充実が図られており、中学校においては、2012年度より新しい学習指導要領に基づき法教育が重視され、現在様々な法教育の授業が実践されている。 そこで、法学部では、「自然環境を守る」というTo-Collabo共通課題④のもと、「動植物の保護」の観点から、秦野市立中学校における法教育の授業を企画・実施した。中学生にも理解しやすい身近な事例などを題材に法やルールの役割を学ぶとともに、地域における動植物をめぐる問題を理解し、その対応策を考える機会を提供した。
授業のテーマとして以下の3つのテーマを設定し、教材を作成した。
【授業1】動物愛護法を学び盲導犬が刺傷された事件などを考える。
【授業2】ラムサール条約を素材に環境に関する国際協力を学ぶ。
【授業3】外来生物法を素材に生物多様性の重要性を学ぶ。
取組の成果
本取組が想定していた成果として、以下の二つがある。【成果1】法と環境に対する中学生の理解向上
⇒秦野市の野生動植物、市民の飼っている愛護動物や家畜、農産物などに関する様々な問題について、関係する法やその基礎になっている価値について説明をすることで、動植物を保護することの重要性を秦野市内の中学生に理解してもらう。
【成果2】地域貢献
⇒成果1を通じて、地域との連携とともに地域への貢献・知の還元を図る。
【成果1】に関しては、環境教育と法教育の融合ということで難解になりすぎないように題材の選択や説明方法などについて担当者間で議論を重ねた。クイズ形式などを取り入れながら興味を持ってもらいつつ、内容を理解してもらえるように工夫・努力した。
授業終了後に行ったアンケートの結果は、右グラフの通りである。①授業の理解については、「よく理解できた」「だいたい理解できた」の選択肢の合計が74%であり、予定通りの成果を得られた。また、【成果1】を通じて、法学部の知を地域に還元することができ、【成果2】の実現にもつながった。
アンケート結果や中学校の校長先生・担当教員の先生との意見交換の際にいただいたご助言・ご意見などをもとに内容や方法を改善しつつ、今後もこうした取組を継続していきたい。