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2014年度 [ 地域志向 ] 東海大学市民健康スポーツ大学の市民参加者の健康データの解析

東海大学市民健康スポーツ大学の市民参加者の健康データの解析

取組代表者

沓澤智子 【健康科学部・看護学科】
(伊勢原校舎)

共同取組者

松木秀明(健康科学部・看護学科)、谷口幸一(健康科学部・社会福祉学科)、 池内眞弓(健康科学部・看護学科)

取組の概要

厚生労働省は「健康日本21(第二次)」を2013年4月からスタートさせた。この新しい「健康日本21(第二次)」では.「身体活動・運動」分野に関して,「歩数の増加」,「運動習慣者の割合の増加」.「運動しやすいまちづくり・環境整備に取り組む自治体の増加」といった3つの目標が掲げられている。2008年10月、伊勢原市と東海大学との間に包括的な提携協定が結ばれ、広範囲な分野にわたる連携・協力を推進していくことになった。その一環として、2009年2月、総合型地域スポーツクラブ「東海大学健康クラブ」が発足し、会員登録された伊勢原市民の方々が、健康科学部・体育学部教員の指導のもとに、健康維持増進に励んでいる。その一環として、2009年から栄養調査、健康度測定(肺機能検査、体組成・骨密度・血圧測定など)、体力測定、万歩計による運動量調査を実施してきた。本研究では、これらの調査の健康デ-タ解析結果を報告する。

取組の成果

東海大学健康クラブの市民会員の参加者数は、2009年~2014年、毎年60名~100名であった。また参加者の平均年齢は、男性が約68歳、女性が約64歳であった。

各測定年の市民会員の身長、体重、BMIの測定結果を国民健康・栄養調査結果と比較した。その結果、本測定対象者の身長・体重・BMIの平均値は男性・女性共に国民健康・栄養調査結果とほぼ同じであった。栄養摂取についても男性については、摂取エネルギ-、タンパク質、脂質、炭水化物、コレステロ-ル、食物繊維の摂取状態は国民健康・栄養調査結果とほぼ同じであり、年度変化も認められなかった。しかし、女性においてはタンパク質、脂質、ビタミンD、カルシウム、マグネシウム、リンの項目において、参加者は、2011・2012・2013年において、国民健康・栄養調査結果と比較して高値を示した(p<0.05またはp<0.01)。

肺機能検査の%肺活量、%一秒量および骨評価値(骨密度:同性・同年齢の標準値100%に対する値)については、2009年~2014年度の男女別測定値はほとんど変化せず、一元配置分散分析を行ったが、年度間に統計的有意差は認められなかった。また3年間継続した市民会員の%肺活量、%一秒量について、反復測定分散分析を行ったが、年度間に統計的有意差は認められなかった。一方、骨評価値(骨密度:同性・同年齢の標準値100%に対する値)については3年間継続会員の女性について、2013年測定値が2011年測定値より高値を示した(p<0.05)。様々な統計解析を行ったが、その1例として、骨評価値について、重回帰分析(ステップワイズ法)による分析結果を示す。骨評価値 = -0.312×年齢+0.152×1日の平均歩行歩数+0.265×1日の平均しっかり歩数(連続10分以上の歩数)、+0.183カルシウム摂取量+0.213×リン摂取量+141.287で示された。なお、東海大学健康クラブでは、栄養調査、健康度測定(肺機能検査、体組成・骨密度・血圧測定など)、体力測定、万歩計による運動量調査を実施し、測定のたびにその結果を市民会員に返却し、その説明を行っている。また3年継続の会員には3年間の時系列測定値もグラフ化して返却している。これらのデ-タは市民会員個々人の健康管理に役立つと考えている、本健康クラブ会員の平均年齢は男女ともに60歳を超えている。60歳以上のシニア世代は健康を増進することも大切であるが、健康を維持することも重要であり、今後も本クラブ会員として、定期的に運動を継続、良好な栄養摂取状況を維持、また十分な休養をとることによって、QOL(生活の質)を考慮した生活を送っていただきたいと考えている。

  • 取組テーマ:スポーツ健康
  • 対象者  :指定なし
  • 取組タイプ:研究
  • 連携自治体:伊勢原市