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2015年度 [ 地域志向 ] U・Iターン就職促進のための遠隔インターンシッププログラムの開発

U・Iターン就職促進のための遠隔インターンシッププログラムの開発

取組代表者

長 幸平 【情報教育センター、情報理工学部教授】
(湘南校舎)

共同取組者

平野 葉一(文学部ヨーロッパ文明学科 教授)、前田 成東(政治経済学部政治学科 教授)、白澤 秀剛(情報教育センター講師)、園田 由紀子(チャレンジセンター講師)、坂田 圭司(情報教育センター講師)

取組の概要

 近年の地方/首都圏の格差拡大により、地方出身の大学生が首都圏企業へ就職する傾向が強くなっており、地方企業の人材不足が深刻になってきている。就職先に地元企業を選択しない理由の1位は「志望する企業がないから(35.2%)」となっており、地方企業は認知度も低くインターンシップへの参加も距離的制約で困難になっている。本学は、北海道や九州からも多数の学生を受け入れており、潜在的に地元就職を希望する学生も多いことが予想される。そこで、全国初となるWeb会議システムを用いた遠隔インターンシッププログラムを地方自治体・商工会議所・企業と共同で開発し、U・Iターン就職学生の増大と地域産業活性化人材の育成を目的とする。

取組の成果

 本取組の結果、3つの成果を得ることができた。最大の成果は、Web会議システムを使用したインターンシップが効果的であり、低コストで実現可能であることを実証できたことである。本取組では2種類のインターンシッププログラムを準備した。1つは、事前の企業調査を行った学生が、Web会議上で企業の社長、部長、現場責任者などにインタビューを行い、企業紹介記事を作成するという「取材型」インターンシッププログラムである。もう一つは、最初にWeb会議上で企業側が企業説明、商品説明、解決したい問題点(課題)を提示し、学生が約3週間で解決策を考え、再びWeb会議上で解決策のプレゼンテーションを行う「課題型」インターンシッププログラムである。本取組では、この2種類のインターンシップのいずれも計画通りに実施でき、学生側のみならず企業側からも高評価を得た。熊本や北海道の企業においては、社長室に接続したWeb会議上で社長と学生が直接会話するなど、通常の会社訪問では実現が難しいと思われることも実現できた。

 2つ目の成果は、インターンシップ前に学生が備えておくべきコミュニケーションスキルおよびその必要性に関する知見を得られたことである。通常のインターンシップは企業内で行われるため、学生が企業側からどのような評価をされているのかを知ることはできない。しかし、今回は大学主導での実施であったことと、プログラム開発ということであったことなどにより、企業側から、学生のコミュニケーションスキルの十分な点や不足している点、事前研修の必要な点などについて十分な議論や、意見交換をすることができた。この成果は、今後の就職指導にとっても非常に有益な情報であった。

 3つ目の成果は、授業への組込の可能性が開けた点である。Web会議システムであれば、プロジェクタとネットワークのある教室であれば接続可能であり、また、大学教育に貢献したいと考えている企業も多いことが分かった。今回は予算などの都合で北海道、熊本、神奈川の3企業との接続であったが、システム的には全国の企業との接続が可能で、実践的な産学連携授業の実現に道を開く成果であったといえる。

  • 取組テーマ:大学開放
  • 対象者  :指定なし
  • 取組タイプ:教育
  • 連携自治体:札幌市南区、熊本市、南阿蘇村