yacon

2015年度 [ 地域志向 ] 阿蘇地域におけるヤーコンを用いたブランド産地の創造

阿蘇地域におけるヤーコンを用いたブランド産地の創造

取組代表者

松田 靖 【農学部 応用植物科学科准教授】
(阿蘇校舎)

共同取組者

村田 達郎(農学部応用植物科学科 教授)、安田 伸(農学部バイオサイエンス学科 准教授)、黒田 泰弘(工学部生命科学科 准教授)、椛田 聖孝(農学部応用動物科学科 教授)

取組の概要

 これまでに、機能性成分向上を目指したヤーコンの新品種によるブランド創出を試み、品種候補となる系統選抜に至っている。
そこでさらにブランド創造を推進させるため、関係自治体、大学教職員、学生により、消費地への生産地域の認識を拡大するための収穫体験ツアーを実施するとともに、生産者間の相互理解と技術向上を目的とした現地検討会を実施する。また、販売促進のための学生の手によるリーフレット作成を行い、成分分析等と併せて生産地域のブランド化を目指すこととした。

 昨年度実施した機能性成分の分析、品種選抜のための試験栽培を継続しながら、新規の取り組みとしてヤーコン産地としてのブランド化を図るため、関係自治体・大学教職員・学生による消費者への生産地域の認識拡大のための取組み、ならびに生産者間の相互理解と技術向上を目的とし、①:ヤーコン収穫体験ツアーの実施、②:現地検討会(生産農家圃場および大学視察)、③:ヤーコン販売促進のためのブックレット作成の3点を中心に活動を実施した。

取組の成果

①ヤーコン収穫体験ツアーの実施(11月、2月、3月)
 ヤーコン収穫期は11月から3月であるが、12月、1月は参加者数が少ないことが予想されたため、まず11月28日にモニターツアーを実施した。その結果を基に内容を見直し、2月28日および3月8日に体験ツアーの実施を予定している。
 11月のモニターツアー参加者(募集人数20名、参加者20名(子供8名を含む)(アンケート回答者12名)にアンケート調査を行ったところ、「ヤーコンをなんとなく知っている」,「よく知らない」とする回答が80%を超え、「実際に食べたことがない」とする回答も50%となるなど、多くの参加者が興味はあるが体験がないことが明らかとなった。また、収穫体験、ヤーコン料理中心の昼食ならびに大学教員・学生によるヤーコンの説明によってヤーコンそのものを知るとともに、どこで生産・販売されているかを知ることができたとの感想もあり、ブランド産地としてのイメージ定着につながる取組みとして有効であると判断できた。
 2月および3月の開催分は、今後の開催日程の参考とするため日曜および平日の開催、座禅・ヤーコンを使用した精進料理との組合せ等、モニターツアーの一部を変更し、その影響について意見を募る。

②現地検討会の実施(9月、11月)
 9月16日に生産者30名、大学教員3名、学生4名、自治体関係者4名が参加し、生産農家の圃場における現地検討会を実施し、2軒の生産農家の栽培状況を見学した。その後、教員および学生から栽培特性、ポリフェノール含量の変化に及ぼす栽培環境の影響およびヤーコン茎葉部を材料としたサイレージ製造について説明がなされた。
 さらに11月12日には、生産者6名、自治体関係者1名が阿蘇校舎の学内圃場の視察に訪れ、栽培法および栽培環境によるヤーコン塊根の収量および形態の違いを実感することができた。このように栽培技術を共有することで地域全体での生産物の品質向上を目指すとともに、6次産業化に向けた取組みに対する重要性を理解していただくことにもつながった。

③ブックレット作成
 消費者および生産者に対するヤーコンの持つ機能性,特徴の理解を進めるために、学生デザインによるブックレットの作成を行った.A6サイズ16ページからなるブックレット1900部を印刷しており,これらを体験ツアー参加者、自治体農家、販売をしている道の駅へ配布する。販売促進につなげるとともにブランド産地としてのイメージ定着を図る。

  • 取組テーマ:ブランド創造
  • 対象者  :指定なし
  • 取組タイプ:社会貢献
  • 連携自治体:南阿蘇村