2017年11月25日(土) 熊本キャンパスにて
シンポジウム
「創エネ・省エネ技術の最先端 ~考えよう私たちのエネルギー~」
を開催しました。
本イベントは、2017年度To-Collaboプログラム 大学推進プロジェクト「エコ・コンシャス計画 エネルギー・ハーベスト事業」(代表: 福田 紘大 工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻 准教授)の活動の一環として行なわれたものです。
地域の子どもたちや住民を対象に、環境・エネルギー啓発教室や研究会の実施を通じて本学内で取り組んでいる最先端のエネルギー技術を紹介する活動などに取り組んでいる、「エネルギー・ハーベスト事業」による活動の一環で、再生可能エネルギーや省エネ技術の発展と可能性、将来のエネルギー社会のあり方や大学の役割などについて考えることを目的としたものです。学生や教職員、地域住民ら約40名が参加しました。
当日は、荒木朋洋九州キャンパス長(学長補佐・農学部長)があいさつに立ち、農学部が取り組んできたサツマイモのムラサキマサリを用いて焼酎「阿蘇の魂」を作り、その搾りかすをもろみ酢や家畜の飼料として活用することで一切の廃棄物を出さない「ゼロエミッションプロジェクト」について紹介するとともに、「本日は熊本キャンパス以外からも東海大学のスケールメリットを生かしてさまざまな専門分野の研究者が集いました。環境やエネルギー問題について考える機会にしてください」と期待を語りました。
続いて、プロジェクトの代表を務める工学部航空宇宙学科航空宇宙工学専攻の福田紘大准教授が「東海大学における創エネ・省エネ技術の最先端」として、本学で取り組んでいる多彩な研究活動について紹介。さらにオーストラリア大陸を縦断する世界最大級のソーラーカーレース「World Solar Challenge」で過去二連覇を達成した東海大学チャレンジセンター・ライトパワープロジェクトのソーラーカーチーム総監督を務める木村英樹教授(工学部電気電子工学科)が「東海大学ソーラーカーの技術開発と応用分野」をテーマに講演。打ち寄せてきた波を貯水池に溜め、貯水面と海面との高低差を利用して発電する「越波式波力発電」の研究を推進する海洋学部環境社会学科の田中博通教授が「越波式発電の研究開発とその展開について」と題して、清水キャンパスをはじめ全国各地で取り組んできた調査・研究の成果を披露しました。
また、九州各地で環境・エネルギー問題に取り組むNPO法人「九州バイオマスフォーラム」の中坊真事務局長による招待講演「糞尿や生ごみからエネルギーを生み出す」に続いて、福田准教授の司会で中坊氏と木村教授、田中教授に熊本市環境局環境推進部環境政策課温暖化対策室長の坂本康祐氏を交えたパネルディスカッションも実施。坂本氏がスマートハウス普及促進事業や市施設への太陽光発電システム導入事業といった市の施策について紹介したほか、中坊氏から「阿蘇地域は水と電気が豊富。データセンターを作ることで電力需要を創出してはどうか」といった提案や「環境教育は大学までくると専門的に学んでいる人以外は、遠ざかってしまう。実社会に出る前の若者たちに地球温暖化を意識して行動してもらえれば大きな力になる」といった期待が寄せられると、木村教授が「東海大学は全国のキャンパスで地域連携活動を行っています。熊本キャンパスではチャレンジセンターのプロジェクトである『メカトロマイスター』や『先端技術コミュニティACOT』の学生たちが積極的に活動しており、環境教育などの面でも連携できると考えています」と応えました。
たくさんのご参加ありがとうございました。
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