– 大学推進・平塚市 – 「防災フォーラム@平塚―災害に強い平塚市を目指して―」を開催しました

2018年1月13日(土) 平塚市美術館ミュージアムホールにて

「防災フォーラム@平塚―災害に強い平塚市を目指して―」

を開催しました。

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 本フォーラムは、平塚市協賛のもと、2017年度To-Collaboプログラム 大学推進プロジェクト「地域デザイン計画 安心安全事業」(代表:梶田 佳孝  工学部土木工学科 教授)の活動の一環として行なったものです。
※文部科学省平成28年度私立大学研究ブランディング事業 選定プロジェクト「災害・環境変動監視を目的としたグローカル・モニタリング・システムの構築による安全・安心な社会への貢献」と合同で開催しました。

 本学は、さまざまな地域連携の取り組みを推進しており、近年は「災害対策」で平塚市と強く連携しています。文部科学省の平成28年度「私立大学研究ブランディング事業」に選定されたプロジェクト「災害・環境変動監視を目的としたグローカル・モニタリング・システムの構築による安全・安心な社会への貢献」では、国内外の研究機関や近隣自治体、地域住民と連携し、衛星やSNSを用いて実際の災害現場などで活用することを目指す取り組みを展開。また、同省の平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」に採択された地域連携の取り組みである「To-Collaboプログラム」の大学推進プロジェクト「地域デザイン計画 安心安全事業」においては、地域住民の防災意識を喚起するためのイベントや地域の安全性向上を目的とした研究活動にも取り組んでいます。

 今回のフォーラムは、これらの活動の一環として、専門家による講演をはじめ、市、地元自治会、地元メディアなど多様な立場からの災害対策を中心とした地域連携の現状を紹介し、今後の可能性について討議することを目的としたものです。当日は、地域住民や本学の関係者ら約100名が参加しました。開会にあたり本学の吉田一也副学長(研究担当)が「本学は教育研究、産学連携、地域連携に積極的に取り組んでおり、近年は大学として災害対策にも力を入れています。今回は2つのプロジェクトの成果を披露するとともに、皆さまから広く意見を寄せていただき今後につなげていきたいと考えています」と述べました。続いて平塚市の落合克宏市長も、「平塚市は人口減少社会の中、『選ばれる街』『住み続ける街』を目指しておりますが、その根底は安心安全に暮らせる街であることが重要です。地域の実情に合わせて災害への備えをしっかりと見直すとともに、科学技術の進歩など社会情勢の変化も鑑みて市民の皆さんと災害に強いまちづくりを進めていきたいと思います」と語りました。

 招待講演では、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)衛星利用運用センター長の内藤一郎氏が「防災における衛星情報の活用」をテーマに、人工衛星「だいち2号」を用いた火山監視や風水害・土砂災害、地震災害への対応の実情を紹介。また国土地理院応用地理部地理調査課課長補佐の根本正美氏も「測量技術を活用した国土地理院の災害対応」と題して、衛星画像や空撮写真を用いた地震や火山活動に伴う地殻変動解析の実情やウェブ地図の提供などについて解説しました。

 その後、本学情報技術センターの長幸平所長と情報理工学部情報科学科の内田理教授が「グローカルモニタリングの目指すもの」として、私立大学研究ブランディング事業に選定された研究活動について紹介したほか、平塚市防災危機管理部長の佐野勉氏、地元のコミュニティFM「湘南FMナパサ」パーソナリティの山田美智子氏、本学工学部土木工学科の梶田佳孝教授がそれぞれの立場から防災、減災に関する取り組みを紹介。最後にはパネルディスカッションも実施し、内田教授による進行のもと話題提供者として参加したリモート・センシング技術センターソリューション事業部長の向井田明氏、平塚市自治会連絡協議会会長の秋山博氏による活動紹介や地域の実情といったテーマに沿って、会場も交えながらそれぞれの立場から課題解決策や安心安全なまちづくりへの貢献の方法などを話し合いました。

 最後には本学地域連携センターの池村明生所長が来場者や登壇者への謝辞を述べるとともに、「本学は5年前からTo-Collaboプログラムを通じて地域連携を積極的に展開しています。その中でも『安心安全事業』は私立大学研究ブランディング事業とも関連する重要な活動であり、この活動を今後も継続していきたいと思っています。今回のフォーラムでは防災を巡ってマクロとミクロを横断すると同時に、“現場”に沿った実りある議論が展開されました。学生の教育においても現場での実体験は非常に有益です。今後の地域連携活動や教育研究活動の充実に向けて参考にしていきたい」とあいさつしました。来場者からは、「自治会の活動で避難訓練などに参加していますが、事前の備えこそ重要。専門家による最新の科学技術の解説を聞き、自治体が中心となって日ごろの備えに活用してもらいたいと感じました」「大学が地域連携として市民の生活に関する活動をしてくれているのは心強い。今後の研究の発展に期待したい」といった声が聞かれました。

なお、当日の登壇者とテーマは以下のとおりです。
●開会の辞
東海大学 吉田一也副学長(研究担当)

●平塚市あいさつ
平塚市 落合克宏市長

●講演
「防災における衛星情報の活用」
内藤一郎氏(宇宙航空研究開発機構〔JAXA〕衛星利用運用センター長)
「測量技術を活用した国土地理院の災害対応」
根本正美氏(国土地理院応用地理部地理調査課 課長補佐)
「グローカルモニタリングの目指すもの」
長幸平所長(情報技術センター)、内田理教授(情報理工学部情報科学科)
「平塚市の防災への取り組み」
佐野勉氏(平塚市防災危機管理部長)
「市民による地域防災の活動」
山田美智子氏(湘南FMナパサ パーソナリティ)
「安心安全事業のこれまでの成果」
梶田佳孝教授(工学部土木工学科)

●パネルディスカッション
話題提供:向井田明氏(リモート・センシング技術センター〔RESTEC〕ソリューション事業部長)、秋山博氏(平塚市自治会連絡協議会会長)
モデレーター:内田理教授
パネラー:内藤一郎氏、根本正美氏、佐野勉氏、山田美智子氏、長幸平所長、梶田佳孝教授

●閉会の辞
東海大学地域連携センター 池村明生所長

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たくさんのご来場ありがとうございました。

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