情理H~1

2015年度 [ 地域志向 ] 留学生と日本人学生との協働による地元貢献活動の国際化の試み

留学生と日本人学生との協働による地元貢献活動の国際化の試み

取組代表者

高雄 元晴 【情報理工学部 情報科学科教授】
(湘南校舎)

共同取組者

尾関 智子(情報理工学部情報科学科 教授)、斉木 ゆかり(国際教育センター教授)、西山 友恵(国際教育センター非常勤講師)

取組の概要

 日本の地域文化の中で、神輿渡御は宗教的な意義を越えて年長者から若者への教育の場、そして若者が新しい技術と見識を導入することを通じて地域社会を進化させる場として古来から機能してきた。しかし、地域の都市化にともない神輿渡御のこれらの機能は急速に喪失されていきつつある。これは神輿渡御に関わる集団の老齢化と固定化、本来新たに参加することが期待される若者集団の減少と地域社会からの分離が主な要因である。本プロジェクトは、若者集団として留学生を含む本学学生が地域文化を学ぶとともに、大学で学んだITやそれぞれの母国語の言語による広報活動を通じ、世界に向けて情報発信をする。

取組の成果

 昨年度採択課題「地域に学び地域に貢献する情報技術教育システムの構築」(代表:高雄元晴教授)に引き続き、内容を拡充させて本年度の課題に取り組んだ。昨年度は日本人学生を対象に地元神輿団体の振興協力を行ってきたが、本年度は新たに日本における地域伝統文化の理解と日本語学習の促進を期して、留学生にも積極的に参加させる取り組みを行った。また、将来的に本プロジェクトを教員主体でなく学生たちの自主プログラムとして昇華させる試みとして、チャレンジセンター教育プログラムとの連携に取り組んだ。本プログラムで企画した様々なイベントおよび取り組みを以下に紹介する。

1)今泉神社神輿保存会の自主イベントの準備および実施への学生の参加。
2)国際フェア日本ブースにおける神輿の展示と学生たちによる紹介。
3)日本語スピーチコンテストの際、幕間劇として「神輿紹介劇」を留学生たちが企画、上演。
4)留学生有志による「多言語神輿渡御紹介パンフレット」の制作。
5)神輿の広報および神輿渡御の安全確保を目的とした学生たちによるアプリの開発。

 上記のプロジェクトを教員のアドバイスを受けながら学生たちが自主的に行い、多くの学びと経験、そして地域貢献に対する認識を得ることができたと信じる。今後、持続可能な形で、学生たちが創意工夫のもと神輿渡御など地域の伝統文化の保護と振興に貢献する風土を本学の中で醸成して行きたい。また、留学生にとっても伝統文化の保護に自ら進んで取り組むことは、日本語の習熟に役立つだけでなく、教科書や教材では決して知りえない日本文化を体験的に学ぶ機会となる。将来的にカリキュラムとの連携等を視野に入れてありかたを考えていきたい。

成果物

神輿渡御の紹介パンフレット
 
留学生たちの協力により作成された「御神輿と渡御を紹介する多言語パンフレット」。日本語、英語、タイ語、ドイツ語、アラビア語、ベトナム語の6ヶ国語で、祭りの起源や、現在の日本における祭りについて紹介されています。
 留学生向けに配布するとともに、今泉神社礼祭に観客として参加する外国人にも配布する予定です。
 神輿渡御紹介パンフレット(6ヶ国語対応)をPDFでご覧いただけます。

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2015年度To-Collaboプログラム「地域志向教育研究経費」成果報告書
[ 留学生と日本人学生との協働による地元貢献活動の国際化の試み ]
画像をクリックするとPDFでご覧いただけます。

TakaoReports2015

 

  • 取組テーマ:地域観光
  • 対象者  :指定なし
  • 取組タイプ:社会貢献
  • 連携自治体:秦野市