「ろ過実験をして地下水のことを知ろう!」を開催しました
2015年11月24日(火)に東海大学付属小学校にて「ろ過実験をして地下水のことを知ろう!」と題した特別授業を実施し、学生が講師を務めました。これは、2015年度To-Collaboプログラム 地域志向教育研究経費採択課題「世代間共生にむけた環境NPOとの連携による環境教育の実践と検討」(代表: 藤野 裕弘 教養学部人間環境学科自然環境課程教授)の活動の一環として行ったものです。
藤野教授の指導のもと、NPOの調整・実施協力をいただきながら、学生が企画・立案・実施。また、本実施は卒業研究の実践の一部としても活用されました。東海大学付属小学校の科学クラブに所属する児童たちを対象として、ペットボトルを用いた簡単なろ過実験を通して、普段あまり触れることのない地下水について知ってもらうことを目的に実施しました。
まず、「ろ過とは何か、地下水とは何か」を児童たちに説明。静岡県の地下水利用量を地域別に比較した地図を用いて、身近なところでも地下水が使用されていることを解説しました。続いて実験に移り、ペットボトルを用いたろ過実験や簡易水質測定キットを使用しての水質判定実験を実際に児童たちにやってもらいました。
ペットボトルの実験では、静岡県富士市の地層と、神奈川県秦野市の地層に見立てたろ材を使用し、泥水を流しろ過実験を行いました。それらのろ過した2種類の水と、ろ過する前の水3種類について水質判定実験を行い、亜硝酸態窒素という地下水の水質基準にも用いられている化学物質が含まれているか判定を行ってもらいました。判定の結果は、3種類を比較してもそれほど変化はなく、児童たちは不思議そうな顔を一瞬のぞかせましたが、地下水のようにろ過されただけでは簡単に浄化されない化学物質があるということをこの実験を通して理解した様子でした。
続いて、地下水汚染についての講義を行い、過去に神奈川県秦野市で起こった地下水汚染の事例紹介と、地下水にまつわる歴史についての解説を行い、最後に授業の振り返りを全員で行いました。
参加した児童からは、「初めて土が水をすごくきれにする事が分かりました。」「今までやったろ過とはちがうやり方のろ過ができて楽しかったです。」「地下水のろ過のしくみがとても分かりやすくて勉強になりました。」などのコメントが寄せられました。
今回題材とした“ろ過”や“地下水”を自由研究などの自己学習や科学クラブでの活動の題材として取り上げてみてはどうかという学生からの提案に、児童たちは活き活きとした表情を見せ、児童たちの環境意識の醸成につながる良い機会となりました。今回の授業実施を振り返り、藤野教授は「今回は初めて金目川水系以外の川を対象とした実践となりましたが、これまで行ってきた実践活動を活かし、他の地域においても環境教育を展開していくことができるのではないか。」と話していました。
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