望星丸

2015年度 [ 地域志向 ] 地域連携を通した包括的環境アウェアネス・プログラムの構築

地域連携を通した包括的環境アウェアネス・プログラムの構築

取組代表者

千賀 康弘 【海洋学部 海洋地球科学科教授・学部長】
(清水校舎)

共同取組者

川崎 一平(海洋学部 教授)、占部 正承(海洋学部 教授)、砂原 俊之(海洋学部 准教授)、田中 博通(海洋学部 教授)、長尾 年恭(海洋研究所 教授)、馬塲 久紀(海洋学部 准教授)、秋山 信彦(海洋学部 教授)、松浦 弘行(海洋学部 准教授)、石井 洋(総合教育センター准教授)、仁木 将人(海洋学部 准教授)、李 銀姫(海洋学部 准教授)

取組の概要

 清水校舎海洋学部では、静岡市との交流事業として、小学生を対象とした各種体験学習を実施してきた。また2013年度からは、本学COC事業として静岡市との連携のもと一般市民を対象とした望星丸洋上セミナー他、地域公開セミナーを実施してきた。2014年度末、本学と静岡市との間で包括連携に関する協定が締結されたことに伴い、本取組みでは上記諸企画を「環境」をキーワードとして包括し、小学生から年配者に至る多世代を対象とした学習プログラムの構築を進めていくものである。また、昨年度海洋学部が取組んだJMOOCプログラムの経験を活かして、「反転授業」方式の学習プログラムを構築していく点においても新規の取組みである。

 海洋学部では1995年から静岡市との交流事業として、小学生を対象とした各種体験学習を実施してきた。2013年度からは静岡市との連携のもとで一般市民を対象とした望星丸洋上セミナーや地域公開セミナーを実施してきた。2014年度末に本学と静岡市との間で包括連携協定が締結されたことに伴い、これら諸企画を「環境」をキーワードとして包括し、小学生から年配者に至る多世代を対象とした学習プログラムの構築を進める。海洋学部JMOOCプログラムの経験を活かして「反転授業」方式の学習プログラムも構築する。実施に当たっては、清水校舎の地勢的特徴及び海洋学部の教育研究の特色を活かして、「駿河湾の環境」、「津波防災」、「海洋生物」、「沿岸域環境」の4テーマを立て、幅広い「環境アウェアネス(気づき)」活動を企画・推進する。具体的には次の4プログラムを実施した。

①「洋上で考える環境」(10/18):一般市民を対象として「駿河湾をめぐる水といきもの」を主テーマとして、駿河湾内での望星丸洋上セミナーを実施。公募による静岡市在住の一般市民74名の参加により、水深1000mまでのCTD観測、プランクトン採取を行った。教職員13名、学生22名が案内と解説を行い、駿河湾の魅力を伝えた。

②「浜辺で考える環境」(7/27):市内の小学生30名が参加し、三保の海浜植物観察会を開催した。海浜植物に関する学習会、現場観察を実施、教員2名、学生8名が解説。

③「海のいきものから考える環境」(8/5,3/6):プランクトン観察会(8/5)を小中学生と保護者34名、環境大学受講生20名の参加者で実施。教員3名、学生5名が解説した。3/6にはシロウオ観察会を市内の小学生と保護者40名を対象に実施予定。ここでは山と川と海のつながりを解説し、静岡市の自然のすばらしさを伝える。

④「防災から考える環境」(8/30):一般市民を対象として「駿河湾を学び地域の防災を考える-三保半島の地震・津波に備えて」をテーマとして、静岡市危機管理室から講師1名を招き、学内の3教員が講演。さらに学内施設を使って津波の破壊力デモ実験を行った。51名の一般参加者があり、アンケートでは86%の参加者から勉強になったとの感想があった。

取組の成果

①「洋上で考える環境」:作業補助・解説をする本学学生の対応について、参加者からの評価が高い。研究成果還元という地域貢献において、学生が主体的役割を果たしていく可能性を示している。

②「海辺で考える環境」③「海の生きものから考える環境」:現地観察を含む環境学習プログラムは初等中等教育機関で作成・実施することが困難であり、静岡市と本学が連携した取組みの重要性・貢献度は大きい。さらに、清水校舎は幼小中高の付属教育機関が併設されていることから、海洋環境教育が一貫教育の中核的機能を果たすことが期待できる。

④「防災から考える環境」:東海・東南海地震の発生を危惧されている静岡において、地震・津波に関する正しい知識と的確な避難方法を提供することが大学に期待されており、当該地域への高い波及効果が想定される。

  • 取組テーマ:大学開放
  • 対象者  :指定なし
  • 取組タイプ:社会貢献
  • 連携自治体:静岡市