取組の概要
熊本県及び熊本市が中心となり、平成26年度末に、県内の自治体・教育機関・企業・医療機関等から成る「くまもと医工連携推進ネットワーク」を立ち上げるなど、県内・市内において、医工連携の取り組み機運が高まっている。
今回、熊本県及び熊本市より、「くまもと医工連携推進ネットワーク」への参画要請があったことを受け、このネットワークを活用し、熊本校舎の教職員・学生による「医療現場等における医療機器等の現状・ニーズ調査と分析」、「大学開放による地場企業とのセミナー」、「医療・福祉機器開発補助」等の活動を通して、熊本県・熊本市における地場産業の活性化を目指す。
取組の成果
- 医療機器分野への参入を企図する企業にとっては複数回の学習会や講演会、医療福祉工学科実習室を開放した企業向けセミナーを通して医療現場からの医療機器に対するニーズ、機器開発のヒントなどが得られた。
- 学生にとっては学習会や講演会に参加することで医療現場の様子、最新の医療機器の情報が得られ専門科目を勉強するのに非常に参考になったと感じる。さらに、医療福祉工学科実習室の開放による企業向けセミナーでは学生が医療機器の構造や操作方法などを説明しており、日頃の学習成果を披露するとともに、より理解が深まったこと及び人前で説明することの難しさを体験でき有意義なセミナーとなった。
- 本取組を地域住民へ広く報せることで、熊本県・熊本市民の「医工連携分野」に対する理解が高まった。
- 「くまもと医工連携推進ネットワーク」の推進本部は熊本県、熊本市、熊本大学、熊本商工会議所、熊本県工業連合会であり東海大学は委員を務めている。多くの地場企業が会員となっており、本取組が開催する学習会や講演会はこのネットワークを通じて会員企業に案内しており、会員企業からの参加も多い。本取組が地場企業にも周知されていると感じる。
- 「ウェアラブルデバイスの脈拍計を利用した障がい福祉施設用コミュニケーションツールの開発」及び「深層学習による悪性黒色腫画像識別のための訓練画像の生成」には3年生も参加しており、研究のやり方などを実際に体験でき卒業研究などに結び付けることができた。
- 1件ではあるが地場企業からの技術相談があり、本取組が地場企業活性にも貢献しつつある。