「水産物を活用した産業活性化事業発表会」にてセンハダカの魚醤油が紹介されました
海洋学部水産学科食品科学専攻の後藤慶一教授と学生たちが開発に携わった「静岡おでんカレー」と「せんはだかの魚醤油」が、今年度新たに始まった地域ブランド「駿河 Blue Line」に認定されました。このブランドは、静岡市や焼津市、吉田町など県内の4市1町と漁業関係者、企業などが連携した「水産物を活用した産業活性化事業」の一環として、水産物の魅力発信や観光振興を目指して活動しているものです。2月15日には新ブランド商品やメニュー、観光コースを披露する発表会が行われ、後藤教授のほか同学科2年次生の保坂洋斗さんが参加しました。
後藤教授は、同事業で商品開発部会のアドバイザーを務めたほか、同専攻の1年次生から大学院海洋学研究科2年次生まで8名が商品開発に参加しました。「静岡おでんカレー」は、海洋学部の卒業生が経営するセントラルフーズ株式会社や静岡由比の株式会社いちうろこと連携。同専攻の学生たちが以前から授業で開発してきた黒はんぺんを使ったカレーをベースに、一般学生や教職員、協議会メンバーを対象にした食味試験の結果などをもとに企業の担当者らと打ち合わせを重ねて商品化にこぎ着けました。一方「せんはだかの魚醤油」は研究室で約2年にわたって研究してきたもので、駿河湾で水揚げされる未利用の深海魚「せんはだか」を発酵させた新しい調味料として漁業関係者らと協力して開発しました。
関係者やメディアら約100名が参加した発表会では、「静岡おでんカレー」が来場者にお土産として配布されたほか、魚醤油の食味体験も実施。せんはだかを塩のみで発酵させたものと乳酸発酵させたもの、麹で発酵させたものの3種類が紹介され、来場者は少しずつ手に取って味を比べていました。また保坂さんも説明員としてそれぞれの商品の違いや魅力を紹介していました。
リーダーを務めた石井陽菜さん(大学院海洋学研究科海洋学専攻2年次生)は、「企業や漁業関係者と議論する中で、地元の水産業が抱える現状やこれまでの取り組みについての知見が広がるなど、研究室の中だけでは得られない経験を積むことができました。これらの商品が未利用魚の活用の新たな一歩になるとともに、東海大学の取り組みを広く知ってもらうきっかけになれば」と話しています。また、保坂さんは、「今回の取り組みでは商品の開発から製造まですべての工程にかかわるという貴重な経験ができました。開発の過程では、漁業者や企業、旅行会社などさまざまな仕事に携わっている方たちと話す機会もあり、業種による視点の違いを学ぶ機会にもなりました」と語っています。
後藤教授は、「魚醤油についても、すでにいくつかの企業や料理店から新しい調味料として利用したいという希望が寄せられています。地元にはまだまだ利用されていない魚種も多く存在しています。今後もそうした魚種の利用法を研究し、地域活性化に貢献したい」と話しています。
なお「静岡おでんカレー」については株式会社いちうろこの店頭販売、インターネット通販サイトAmazonで3月から販売される予定です。今後販売店は拡大していくとのことです。