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2017年度大学推進プロジェクト 「地域デザイン計画 ブランド創造事業」

2017年度大学推進プロジェクト・概要 「地域デザイン計画 ブランド創造事業」

取組代表者

後藤 慶一 【海洋学部水産学科 教授】
(清水校舎)

共同取組者

池村 明生(教養学部芸術学科デザイン学課程 教授)、松田 靖(農学部応用植物科学科 准教授)、村田 達郎(農学部応用植物科学科 教授)、安田 伸(農学部バイオサイエンス学科 准教授)、黒田 泰弘(工学部生命化学科 准教授)、植田 俊(国際文化学部地域創造学科 助教)、中尾 紀行(国際文化学部デザイン文化学科 教授)、平野 庸彦(札幌事務課企画調整担当職員 地域コーディネーター)

取組の概要

 湘南校舎においては、2016年度よりスタートした「ベジタマもなかプロジェクト」をテーマに引き続き実施する。「ベジタマもなかプロジェクト」は平塚市の地産地消の促進をテーマとする「オリジナルもなか」の食品開発であり、2017年度は地元の食関係者による商品化に向けた取組みや支援と、市民参加を促すコンペティションや展示会の開催を予定する。またこのプロジェクトは平塚市の市民・大学交流事業や産業間連携促進事業と連動させながら、東海大学と平塚市の農水産課・商業観光課・産業振興課の所轄が一体となり、またJA湘南、平塚市漁業協同組合、平塚市料理飲食業組合連合会等が参加する横断的な組織をつくり推進する。
 阿蘇校舎においては、これまでに、機能性成分向上を目指したヤーコンの新品種によるブランド創出を試み、品種候補となる系統選抜に至っている。また、2015年度から開始した消費地への生産地域の認識を拡大するための収穫体験ツアーを継続するとともに、生産者間の相互理解と技術向上を目的とした現地検討会を実施する。さらに今年度は、ヤーコンを素材とした加工品の作出、および機能性成分の有効性が注目されている葉の成分分析を実施し、ブランド推進に向けた科学的エビデンスの付与を目指すこととした。
 札幌校舎では、これまで継続して取り組んできた地域資源(札幌軟石)を活用したモノづくり、およびワークショップ・イベントなどを開催し、その現代的イメージの構築を目指す「札幌軟石プロモーションプロジェクト」を実施する。
 清水校舎においては、駿河湾で漁獲される廃棄原材料を用いた「タカアシガニ魚醤油」を開発する。駿河湾では深海魚やタカアシガニが多く水揚げされており、静岡市を含む駿河湾沿岸は近年の深海魚ブームの火付けとなるエリアである。2011年度、沼津市の業者の依頼で宮城県水産高校がタカアシガニ魚醤油を試作したが、東北地方太平洋沖地震によってすべてが失われた。同業者はタカアシガニ魚醤油に魅力を感じているものの、自身では開発するすべがなく、東海大学に相談があった。東海大学と静岡市内企業が連携し、タカアシガニ魚醤油製造法を構築し、駿河湾沿岸の業者に製法を提供するとともにプロモーションを図ることで製造業や観光発展に寄与することを目的とする。

取組の成果

 湘南校舎では産官学連携で生まれたベジタマもなかプロジェクトを掲げ、PRキャラクターが刻印された「もなか」を活用して市内飲食店とともにオリジナルの試作品を作り、市民参加型のレシピコンテストを開催する等、大学と自治体の交流に大きく貢献した。清水校舎では商品価値のないタカアシガニを用いた魚醤油を試作し、大規模な展示会で複数回展示する等して駿河湾沿岸の産業の活性化に貢献した。札幌校舎では札幌軟石プロジェクトを掲げ、産学連携で札幌軟石の加工から販売まで行うことにより市民との交流が促進され、大学と地域社会が親密なものとなった。阿蘇校舎では引き続きヤーコンにテーマを絞り、さらなる認知度向上を図るとともに、科学的エビデンスの付与を目的とした機能性成分分析、さらに阿蘇地域に適した栽培法の提案等を行い、震災からの復興を視野に入れた地域との連携強化に尽力している。
 ブランド創造事業は、地域資源を活用して価値ある商品やサービスに転換し、地域のブランドを創造することを目的としたものであり、各地域に潜在する課題の探索から始まり、その課題を解決するべく取り組んできた。その結果、参画した全校舎において地域ぐるみの活動が行われ、地域ブランドとなり得る成果が生じた。また、一連の取組みに関する広報・啓発的な活動も精力的に実施した結果、メディアで多数の事例が取り上げられ、これを契機に新たな取組みへと発展する波及効果も得られた。各校舎での取組みは更に発展することが明らかで、地域に定着したブランド創造というゴールが見えつつある。

ブランド創造

  • 取組テーマ:ブランド創造
  • 対象者  :指定なし
  • 連携自治体:平塚市、静岡市、札幌市、南阿蘇村